ファンの発言について

 

先日、とあるロックバンドのライブに行って来た。

 

敢えて名は伏せるが、去年大ヒットした映画の音楽を担ったバンドと言えばピンと来る人も多いと思う。

 

ワンマンライブに足を運ぶのは初めてだったので、始まる前は如何せん緊張していたのだがやはり楽しみの方が大きかった。

3時間弱の公演だったが始まってみるとあっという間で、夢のような空間だった。

 

音楽も照明も映像も綺麗で、本当に多くの人が関わって出来上がっているのだなと痛感した。

同時にその空間に居合わせることができた自分は相当な幸せ者だ。

 

ライブは本当に豪華で、楽しかったの一言に尽きる。

 

しかし、終わってみて知ったことがひとつあった。

それはアンコールの際に起きたことだ。

本編が終わり、メンバーはステージを捌ける。照明が落ち、落ち着いたところで客席からアンコールの声がかかる。アンコールといってもこのバンドではある曲の一節を大合唱するのが恒例のようでどこからともなく歌が聴こえた。

 

ここまではまぁいたって「普通」のことだと思う。

暗闇の中で声が聴こえる空間は圧巻だった。しかし歌が始まるのとほぼ同時に客席から光がチラホラ現れる。勿論グッズにペンライトなる物はない。

よく見るとそれはスマホの照明であり、歌に合わせて振っているようだった。最初は少なかったが、徐々に広がりスタンド席では結構な数の光が現れ、場内を煌めかせていた。

そして、ボーカルが中央ステージに繰り出し、アンコールに応えたのであった。

 

アンコールが始まり私のテンションは再度高まる。

そこから数曲を披露し、終始アツいままでその日の全編を終了したのだった。

 

圧巻だったと感じ余韻に浸っている合間にTwitterを開くと、何やらざわついていた。

どうやらアンコールのライトの件について物議が醸し出されているようだった。

 

「会場内、スマホ禁止だろ。」

「演出が台無しだ。」

「今までのアンコールの流れ変えるな。」

「初めて来る人はこういうこともちゃんと予習してから来いよ。」

 

なかなかの怒号が飛び交っており、純粋に楽しめなかった人もいたのだなと悲しくなった。

 

勿論、会場内は携帯電話使用禁止であることは公演前に再三アナウンスで流れていたし、貼り紙もされていた。

私は基本的にどのライブでも会場に入ると携帯をいじる気にはならないため、すぐに電源を落とし鞄にしまうのでこの日も特にライトを点けるということはしなかった。

 

 

私がこの件で引っかかったのは「言い方」である。

 

初めての人も多いというのは、ボーカルのMC中の発言からもわかっていた。というかだいたいそうだろう。

だから、携帯使用禁止なのはわかっているからこそ初めてライブに来た人はライトを点けるか迷ったのではないだろうか。

ライトを点けることを良しとしない人間なのであれば、隣の人や周りが点けようとしていたら優しく教えてあげることくらいはできるはずだ。

それこそ何度も来ている人がライトを点けていたら、それが定番なのかなと感じて初見の人も真似をするだろう。

 

だからライトを点けたのが初見の人だと決めつけないで欲しかったし、それについて終演後文句を垂れるのはどうかと思った。

 

また正直なところ、アンコールが絶対あると確信している節も少し腑に落ちない。

これは結構どのライブでも感じる。実際アンコールがあることはファンもアーティストもきっとお互い感じていることではあると思うのだが、それはやはり当たり前だと思ってはいけない気がする。

だから、「アンコールをする時の決まり」というのは本来作るものではないのだと思う。

まだ終わって欲しくない、まだ帰りたくない、まだ聴いていたい、まだここに居たい。そう感じた人それぞれが「アンコール」を鳴らすのではないか。

このバンドのアンコールの流れ、それがとある歌の一節を合唱するという「決まり」なのだとしても、それはアーティスト側が頼んだものではない。言わば定番化させているのはファンの方なのである。

 

それこそもしアーティスト側が「ライトの光が綺麗だ」とでも発言したら今までそれを良しとしなかった人たちも途端にライトを振るのだろう。

「ライト振るとかアイドルみたい。バンドなのに。」

そういう人もいたがそれは色々な人に失礼だ。言いたいことはわからないでもないが、そこの区別はライトがあるなしではないと思う。その理由でライトを嫌うのは正当ではない。

 

これは私のただの一意見なのだが。

色々書いてると、話が散らかってしまう。

 

ここまでくると「携帯使用禁止だから」ライトを点けないで欲しいという理由に尽きていて欲しい。

 

 

ライブ自体は良くとも、終演後にあーだこーだ言い合う姿を目にしてしまうのはアーティストとしてもやるせなくなるのではないか。

Twitterは何でも呟ける。自由に発言できるからこそ、誰でも見ることができる場ということも忘れないで欲しい。批判を発信し、自分だけの物差しで良し悪しを測るのは違うと思う。

 

私はライトのこと自体については特に意見はない。携帯は使用禁止だが、とは思うが。

それよりそれについて言い合う空間が嫌だった。

 

ライトがいらないと思うのであれば、「会場では携帯使用禁止だからライトは点けないようにしよう。」と言えば済むことだ。

言葉の言い方のせいで、色々な問題が、小さな問題までもが露呈されている気がした。

 

この一件で、初めてライブに来て嫌な思いをし、もうライブに行きたくないと感じてしまった人がいないことを願う。

私は彼らのライブにまた何度でも行きたいと思えた。それと、すぐにTwitterを開きたくないとは思った。

 

 私はファン同士が仲良くあって欲しいとか、みんな同じ気持ちで応援したいとかを思いたいわけではない。境遇は色々だし好きになる理由もタイミングも違うのだからファンが「好き」と思う以外の気持ちを一緒に共有していくのは難しいと思う。だから少なくとも傷を付け合いたくはない。自分の想いは大事にしたい。

 

 

ファンの在り方でアーティストの価値が云々というのはどこでも一緒だと思う。

私もこのバンドの音楽を聴き、好む人間のひとりとして正しいファンで在りたいと思う。